IQを上げるトレーニングをしている大人と子供のイメージ

IQを上げる方法は?成人でも子供でも有効な方法をご紹介

成人後も効果的なIQのトレーニング方法やアプリ、食べ物から、小さい頃に気をつけるべきポイントまでまとめてご紹介します。

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IQを上げる方法は?成人でも子供でも有効な方法をご紹介

トレという言葉が出始めた頃から、脳を鍛えるアプリやウェブサイトは今では当たり前に目にするようになり、欧米で人気のLumosityという脳トレアプリは世界で8,500万ダウンロードを記録するほどの人気を博しました。IQを上げる方法に興味がある方なら、このサイトのIQは重要か?という記事も読まれたかもしれませんね。実際、Lumosityのような意図的なトレーニングはIQの向上に効果があるのでしょうか?この記事では、IQの向上に関する研究の結果と併せて、誰でもできるIQトレーニング方法をご紹介します。

目次

● IQが変わらないというのは時代遅れの見解
○ 昔の考え:遺伝子と幼少期の環境で決まったIQは変えられない ○ 【解説】結晶性知能や流動性知能とは? ○ 今の考え:IQと流動性知能は成人後も変動する ○ 【解説】ワーキングメモリとは? ● IQは成人後もワーキングメモリの訓練で上げられる
○ 予備調査の結果から、ワーキングメモリから成人でもIQ値が上がることが明らかに ● IQを上げるために幼少期に気をつけることは?
○ 幼少期のワーキングメモリ訓練でIQが上がる可能性 ○ ワーキングメモリ訓練でIQを上げる方法をおさらい ● IQを上げる食べ物ってあるの?
○ 認知力や記憶力を高めるブルーベリー ○ 認知力やIQを高めるオメガ3脂肪酸 ● その他のIQを上げる方法
○ IQトレーニング向けアプリやウェブサイト ● まとめ:成人後もIQを上げる方法はある!

IQが変わらないというのは時代遅れの見解

昔の考え:遺伝子と幼少期の環境で決まったIQは変えられない

IQの高さは、日常の幸福度や健康、経済的利益など様々なメリットに結びついてきます。IQのスコアが重要かどうかという問いが、理論上も実用的にも常に活発であることにも不思議はありません。では、人が学び、記憶し、思考する認知能力や機能は成人後も高めることは出来るのでしょうか?

かつては、その人の一生の認知能力と知能レベルは、遺伝子と幼少期早期の環境因子の組み合わせによって決まると思われていました。IQの定義IQは重要か?の記事でも触れた通り、標準化された知能指数(IQスコア)によって、仕事上の成果の予測のみならず、幅広い知的作業における能力をも推測できるため、IQは個人の認知的な能力の指標としてよく用いられるのです。

初期の研究では、幼少期に測定されたIQ値は成人後期の数値と強い相関があることが示されていました。Scottish Mental Surveysからのデータに基づいた研究では、11歳から77歳までの長期において、 IQテストスコアの相関は0.77でした。 [1]

これらの研究結果からは、一般知的能力の個人間における主な差異は、児童期後期から青年期初期までに決定的になることがうかがえます。この相関関係は、結晶性知能よりも流動性知能において顕著に現れました。これは、結晶性知能の方は大人になってからも語彙力のトレーニングなどで比較的高めやすいためです。この研究では、流動性知能は不変であるということを強調する結果になりました。 [2][3]

【解説】結晶性知能や流動性知能とは?

結晶性知能を一言で説明すると「過去の経験に頼らずに課題を解決する能力」、流動性知能とは「経験から学んだ能力」のことを指します。詳しくは知能について解説した記事をご覧ください。

代表的な流動性知能:思考力、暗記力、計算力

代表的な結晶性知能:言語能力や理解力、洞察力、想像力

今の考え:ワーキングメモリの訓練で流動性知能やIQは成人後も変動する

IQ向上トレーニングをしている成人女性

近年になって、IQスコアの柔軟性やその神経基盤に関する証拠が発見されました。特に言葉や行動におけるIQ値は一定とは言えず、10代を通して変動し続けたのです。 [5]

ジェッギ氏とその研究チームが特定の認知訓練プログラムによって成人の流動性知能とIQを上げられるという画期的な成果を発表したのは、2008年のこと。 [6] この研究では、若年の成人たちがワーキングメモリの訓練を一日25分間ずつ、最長で19日間にわたって行いました。この訓練に使われたのは「Dual-N-Back」ゲームという方法です。

Dual-N-Back ゲームでは、参加者は次々に文字が読まれるのを聞くのと同時に、その空間的な配置を目にします。難しいのは、新しく表示された文字がN回前に見たものと同じである時、それを指摘することです。例えばDual-2-backゲームでは、被験者は視覚的、または口頭的に与えられた文字が2回前と同じであればそのことを指摘します。似たようなゲームの例は、Lumosityや同様のアプリ、ウェブサイトなどでも見られます。

これらの訓練によって、ワーキングメモリを使って作業をこなす能力は直ちに上がりました。その上、訓練後の流動性知能もまた上昇したのです。当の研究は流動性知能に特化しており、IQ値を測ったものではありませんが、結果からはこれがIQを上げる一つの方法であることがうかがえます。

これまではIQと流動性知能は一定だという見方がされてきたため、学習によるスキルが流動性知能の伸び(これはIQの上昇を予測)に結びつくことが示されたのは、これが初めてです。流動性知能の改善は、訓練に割いた時間に比例すると見られます。高い流動性知能とは、高いIQをもって様々な知的作業に対して優れた成果を見せるということですから、これらの発見には素晴らしい可能性が秘められているのです。

下の図は、度重なる訓練から得られたワーキングメモリエレメント(WME)の成績を示しています。この研究では、ジェッギ氏や他の研究から得られた流動性知能獲得の成果を再現できませんでした。 [7]

IQ向上に関する研究結果のグラフ

【解説】ワーキングメモリとは?

ワーキングメモリとは、現在の作業に必要な情報を一時的に記憶し、その記憶に基づいて一連の作業を効率的に実行する(課題を解決する)ことができる能力のことを言います。例えば、クライアントから掛かってきた電話の内容をメモして必要な作業を行う、または上司に質問されたときに頭の中で回答を整理している時にもワーキングメモリは使われており、日常の作業に欠かせない非常に重要な能力のことを指します

IQは成人後もワーキングメモリの訓練で上げられる

予備調査の結果から、ワーキングメモリから成人でもIQ値が上がることが明らかに

2008年以降、流動性知能とIQのためにワーキングメモリの訓練や注意力をコントロールする訓練の効率を調べるため、多くの研究が行われました。その中にはジェッギ氏他の研究の成果を検証できなかったものもあり、ワーキングメモリの訓練というコンセプトは幾らかの懐疑論に見舞われています。

複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析するメタ分析では、複数の過去の研究結果を組み合わせるため最も信頼性が高い科学的証拠が得られます。流動性知能を評価基準としたn-back訓練に焦点を当てた2014年のメタ解析では、ワーキングメモリの訓練が流動性知能にもたらす著しく有益な効果が得られました。 [8]

このメタ分析には、対照群および18歳から50歳の健康な被験者を対象とした研究が含まれ、合計して20の研究がこの基準を満たしました。n-back訓練は、標準化されたIQテストで3〜4ポイントに相当する、流動性知能に統計的に有意な効果があることが判明しました。興味深いことに、この3~4ポイントと示された結果はさらに大きな数値となり得る可能性があると、研究者は以下のように結論付けています。

「総合的に考えて、n-back訓練によって流動性知能をどれだけ改善できるかについて、このメタ分析で示された結果は最低限の数値に過ぎないと考えています。」

IQを上げるために幼少期に気をつけることは?

幼少期のワーキングメモリ訓練でIQが上がる可能性

IQを上げる特訓をしている子供

ワーキングメモリの訓練が成人のIQ値を上げるのに効果的だとする証拠が明らかになるにつれて、様々な面で、急速な成長期である幼少期に同じ方法を使うことへの関心が高まりました。

就学前年齢の被験者と介入群を対象としたn-back訓練の研究では、14日間にわたりn-backプログラムを実施したところ、12か月の追跡調査期間の間に行われた流動性知能のテストにおいて、介入群が対照群を上回る成果を見せました。

この結果は、幼少期に短期間の介入を行えば、流動性知能と標準化されたIQテストの成果を生涯において伸ばすことができる可能性を示しています。 [9]

ワーキングメモリ訓練でIQを上げる方法をおさらい

  1. IQを改善する訓練を始める前に、自分のIQについて、信頼できる初期推定値を知っておいてください。必要なら信頼性のあるオンラインテストでIQ値を調べたり、Mensaテストを受けてみるのがいいでしょう。
  2. 健康的なライフスタイルのために、健康的な食事や睡眠をしっかり取って日常的に運動し、アルコールは控え目にして喫煙はやめましょう。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
  3. n-back訓練を1〜3か月単位かそれ以上の期間継続して行いましょう。流動性知能とIQ値の伸びは訓練の量に比例することを忘れてはいけません。好みに合うn-backプログラムを見つけるために様々なウェブサイトを見てみて、少なくとも15分から25分の長さで毎日練習し始めてみましょう。ウェブサイトの他にも、たくさんの無料モバイルアプリが使えます。まずはdual-1-backモードから始めて、改善してきたタイミングでdual-2-backに進むのがお勧めです。
  4. 訓練期間が終わったら、オンラインテストかMensaテストに参加して(一人につき2回受けられます)もう一度信頼できるIQテストを受け、IQ値の伸びを測りましょう。

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IQを上げる食べ物ってあるの?

認知力や記憶力を高めるブルーベリー

認知力向上に効果的なブルーベリー

抗酸化作用を持つブルーベリーに関する研究で、ブルーベリーには神経作用を発達し、人間や動物の加齢による認知力の低下を抑える効果があることが分かりました。

認知力やIQを高めるオメガ3脂肪酸

近年注目が高まっているオメガ3脂肪酸、特にDHAの摂取によって、軽度認知症の高齢者の認知力を高める働きが見られました。さらに、子供に対する効果として、妊婦または乳児用調製粉乳を通してポリ不飽和脂肪酸を摂取させるメタ分析において、 子供のIQを3.5ポイントが3.5ポイントも高まるという研究結果が得られました。

その他のIQを上げる方法

IQトレーニング向けアプリやウェブサイト

スマホやパソコン手軽にIQのトレーニングをしてみたい方にいくつかおすすめをご紹介します。

IQトレーニング向けアプリ① Elevate - Brain Training

Elevateは英語のみで提供されていますが、直感的に操作できるゲームがたくさん搭載されています。読解力、集中力、記憶力、作文力など鍛えたい分野ごとにゲームが分かれていて、毎日飽きずに少しずつ様々な特訓ができて、英語の勉強をしたいという人にもピッタリです!

IQトレーニング向けアプリ②Duolingo

British Academyによる研究結果によると、新しい外国語の学習によって、注意力や精神的覚醒を向上できることが分かりました。 [10]

Duolingoでは、ゲーム感覚で外国語が学べるトレーニングを無料で行えます。単語やフレーズ、文法までトータルで楽しく遊びながら楽しくレベルアップしていきましょう。

IQトレーニング向けウェブサイト Lumosity

冒頭でもご紹介したLumosityは神経科学者が開発した記憶力や注意力を高める脳トレプログラムです。自分の鍛えたい領域を選ぶと、毎日10分間のプログラムを組んでくれます。スマホでやりたいという方にはアプリ版をお試しください。

瞑想でIQが上がるという研究結果

神経学者のジークフリート・オスマーによる瞑想を使った脳波のトレーニング実験では、参加者が平均23パーセントIQの改善したことを示しました。改善した理由の1つは、深い瞑想が脳の活動を遅くすることです。脳波がゆっくりになると脳内を整理する力が高まるため、脳に休息を与えることは脳機能の改善につながるのです。

IQを上げるために瞑想をしている人

まとめ:成人後もIQを上げる方法はある!

IQが遺伝子や幼少期の環境要因でのみ決定づけられるというのは時代遅れの見解であり、IQや人間の認知力は、日々食べるものや意識的に行うトレーニングで改善することが可能ということが様々な実験から明らかになっています。継続的に行うことが重要ですので、自分が続けやすいトレーニング方法を選んで始めてみましょう!

トレーニングを始める前に。
今の自分のIQはどれくらい?
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出典:

[1] Deary IJ, Whalley LJ, Lemmon H, Crawford J, Starr JM (2000) The Stability of Individual Differences in Mental Ability from Childhood to Old Age: Follow-up of the 1932 Scottish Mental Survey. Intelligence 28: 49–55. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160289699000318

[2] Neisser U, Boodoo G, Bouchard TJ Jr, Boykin AW, Brody N, et al. (1996) Intelligence: Knowns and unknowns. Am Psychol 51: 77–101

[3] Nisbett RE, Aronson J, Blair C, Dickens W, Flynn J, et al. (2012) Intelligence: new findings and theoretical developments. Am Psychol 67: 130–159.

[4] Ramsden S, Richardson FM, Josse G, Thomas MSC, Ellis C, et al. (2011) Verbal and non-verbal intelligence changes in the teenage brain. Nature 479: 113–116.

[6] Jaeggi SM, Buschkuehl M, Jonides J, Perrig WJ (2008) Improving fluid intelligence with training on working memory. Proc Natl Acad Sci U S A 105: 6829–6833.

[7] Thompson, Todd W., et al. “Failure of Working Memory Training to Enhance Cognition or Intelligence.” PLoS ONE, vol. 8, no. 5, 2013, doi:10.1371/journal.pone.0063614. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0063614#pone.0063614-Jaeggi1

[8] Au, Jacky, et al. “Improving Fluid Intelligence with Training on Working Memory: a Meta-Analysis.” Psychonomic Bulletin & Review, vol. 22, no. 2, 2014, pp. 366–377., doi:10.3758/s13423-014-0699-x. https://scottbarrykaufman.com/wp-content/uploads/2014/08/au-et-al2014_nback-training-gf-meta-analysis.pdf

[9] Peng, Jun, et al. “The Effects of Working Memory Training on Improving Fluid Intelligence of Children during Early Childhood.” Cognitive Development, vol. 43, 2017, pp. 224–234., doi:10.1016/j.cogdev.2017.05.006. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0885201417301272

[10] Bencie Woll FBA, Faculty of Brain Sciences, University College London
Li Wei, Institute of Education, University College London, “Cognitive Benefits of Language Learning: Broadening our perspectives”
https://www.thebritishacademy.ac.uk/documents/287/Cognitive-Benefits-Language-Learning-Final-Report.pdf

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